ヤバイ軽い文章で濃ゆい内容!「マジ文章書けないんだけど」から学んだ3つのこと【書評・感想レビュー】

マジ文章書けないんだけど

こんにちは!文章を書いて暮らしているサッシです。

ゆっる〜いイラストと軽〜いトーク風の文章なのに、実は気づかないうちに超大事な文法のコツを添削事例たっぷりに教えてくれる濃厚な1冊でしたよ。

今回は前田安正さんの「マジ文章書けないんだけど」から僕が学んだ3つのことを紹介します。

「マジ文章書けないんだけど」とは?

まず、「マジ文章書けないんだけど」をかんたんに紹介しておきますね。

「マジ文章書けないんだけど」は2017年4月30日に初版の文章術の本です。

著者は朝日新聞のベテラン校閲記者の前田安正さん。おお〜まさに文章を改善するプロですね!

この本では全部で23のレッスンを4つのパートに分けて伝えてくれますよ。内容はざっと以下のような感じです。

  • 1.【初級】主語・述語の対応や助詞の使い方
  • 2.【中級】句読点や、主体客体による視点の違い、語尾の改善によるストーリー感
  • 3.【上級】人間の行動パターン・箇条書きの活用
  • 4.【Final】実際のエントリーシートづくり・5W1Hの極意

「就活のエントリーシートを書く学生」や「新社会人」をメインターゲットとして書かれていますが、もうちょっと文章を上手くなりたい人は読む価値ありです。

どのレッスンも「よくない文章例⇨添削した改善例」で説明してくれているのがめちゃくちゃお役立ちでイイですね。

まず自分でよくない文章例の「間違い探し」をすると楽しいし、理解がグッと深まりますよ!



「マジ文章書けないんだけど」から学んだ3つのこと

では、僕がこの本から学んだことを紹介しますね。

「マジ文章書けないんだけど」から学んだ3つのことです。

「だれが」と「なにが」の優先順位

マジ文章書けないんだけど表紙
まず1つ目は「だれが」と「なにが」の優先順位です。

「だれが」と「なにが」のどちらに視点を当てるかで、ぜんぜん印象が変わるということですね。

例えば「〇〇が△△を発売する」ということを伝えたいとします。

それがブランド品なら「プラダが待望の新作を発表しました」が間違いなくピッタリな言い方ですよね。

でも、メーカー自体の知名度が低い場合はどうでしょうか?

以下の2つを比べてみてください。

  • A. どら猫商会が「1分でフル充電バッテリー」を発売しました!
  • B. 「1分でフル充電バッテリー」がどら猫商会から発売されました!

この場合、画期的なモノが登場したことが重要なので、AよりBのほうがインパクトが伝わりますよね。

この本ではこのことは以下のように表現していましたよ。

能動態と受動態で視点が変わる。

– p105 –

僕は、モノ・サービス・イベントなどの紹介の文章を書くときに大切だな〜と感じました。

食レボに臨場感を!

マジ文章書けないんだけど裏表紙
2つ目は「食レボに臨場感を!」ということです。

例えば、以下のような食レポの文章があったとします。

例A.)新宿にある沖縄そば屋さんに行きました。のれんをくぐって、テーブルに着きました。カツオだしのいい香りが伝わりました。メニューを手にいよいよワクワクしてきました。

まぁ、ダメではないですよね。

では、それを以下のようにしたらどうでしょうか?

例B.)新宿にある沖縄そば屋さんに行きました。のれんをくぐって、テーブルに着きます。カツオだしのいい香りが伝わってきます。メニューを手にいよいよワクワクしてきました。

・・・例Bのほうがだんぜん臨場感がありますよね!?

いま何を変えたかというと「語尾」です。

例Aでは全て「〜た」と単調だったので、「のれん〜」と「カツオ〜」の2つの文の語尾を変えただけなんですよ。

この効果を、本書では以下のように表してくれています。

過去の話のなかにうまく現在形を使うと、ライブ感が出てくる。

– p115 –

これ、特に食レポ記事でお役立ちですね!

本人は分かりきっていることこそ気をつけたい

最後の3つ目は「本人は分かりきっていることこそ気をつけたい」ということです。

書き手がよ〜く知っていることを説明するときほど、専門用語を使わないことや気持ちだけで書かないことに気を配りたいなと再認識しました。

この本では登場人物の女性「すず」が自分の部活のエピソードを文章の師匠のおっさんに伝える場面があるのですが、そこで彼女の説明は師匠にまったく伝わらないんです。

そのことを本書では以下のように表現しています。

それは君がわかっていることだろうけど、部外者の僕にはそういう事情はちっともわからないもん。

– p138 –

例えば僕の場合、アプリの紹介の記事をよく書きます。

アプリの操作手順を説明するとき、想定読者によっては「スワイプ」という言葉さえも使わないほうがいいのかなーと思いました。

「スワイプ」ではなくて「画面を指で下から上になぞる」と言い換えるいう具合ですね。

70代の親戚のおばちゃんにスマホの使い方を説明したとき、たしか「スワイプ」が通じなかった気がします!



さいごに

何回「マジ」と「ヤバイ」が出てくるんだってくらい、パッと見の印象は軽〜い本です(笑)

でも、ライトな語り口とゆる〜いイラストに騙されて読み進めてください。

マジ文章書けないんだけどは、文章を通した「人とのコミュニュケーション」という観点から本質的に「物語るコツ」を感じさせてもらえますよ。