こんにちは!文章を書いて暮らしているサッシ(@3104nkmr)です。
僕が2018年に読んだ文章術の本、グルメ部門の優勝候補に出会ってしまいました。
今回は「豊かな人生を引き寄せる『あ、これ美味しい!』の言い換え力」の書評・感想レビューをお届けします。
「豊かな人生を引き寄せる『あ、これ美味しい!』の言い換え力」の概要・書評
まず、「豊かな人生を引き寄せる『あ、これ美味しい!』の言い換え力」とはどんな本かをかんたんに紹介しますね。
この本は、日本酒を中心に味わいの言語化手法を研究している大学講師の 福島宙輝(ふくしまひろき)さん によって書かれ、2018年の9月1日に発刊されました。
タイトル通り「食べたものを言葉で表現する力を磨こう」という内容の本です。
全体は以下の5つの章で成り立っていますよ。
- 「美味しい」を「おいしい」以外の言葉で伝えられるか?
- 「味」じゃない「味」に騙されているようでは一流にはほど遠い
- 「空間と時間」の意識を持てば、料理の味は別物に変わる
- 味を言語化するための最新の統計データと画期的ツールの全貌
- 記憶したすべての味を自在に呼び出すための思考と、脳内の整理術
帯に「グルメリポーター、ライター、料理人、『味』に携わるすべてのプロ、必読!」とあったり、「一流」という言葉がよく登場したりするので、パッと見はちょっと敷居が高い本かなと思ってしまいます。
でも、マンガ「神の雫」を引き合いにソムリエがワインについて語るのは実はテンプレがあることを教えてくれたり、ラーメンやカレーのおいしさの秘密も「見える化」してくれたりして、かなり気軽に楽しめる内容になっていましたよ。
「おいしいものをもっとおいしく食べてみたい!」という気持ちにさせてくれるので、「食べるのが好き」という人には絶対読んでみてほしいです!
「豊かな人生を引き寄せる『あ、これ美味しい!』の言い換え力」を読んでもっとも私が感じたこと
お次は、「豊かな人生を引き寄せる『あ、これ美味しい!』の言い換え力」を読んでもっとも僕が感じたことをお伝えします。
僕がこの本を読み終えて特に心に残ったのは「ことば遊びを楽しめる生き方っていいな」とあらためて感じられたという点です。
この本では、自分が食べた・飲んだものの味を「おいしい!」「うまい!」「やばい!」で済まさずに、どんな言葉で表現できるかをあれこれ試してみることの良さを教えてくれています。
それは「同じことの繰り返しに見えるもの」を「無限に面白さを見つけていけるもの」に変える魔法のテクニックだなと感じました。
このことについて、筆者の福島さんは例えば以下のように表現しています。
すでに皆さんは、たくさんの「味わい表現」を習得し、ほかの人が気づかないたくさんの味を感じ取れる素養を身につけたわけですから、仮に今日の晩御飯に食べ慣れたおかずが出たとしても、いつもとは違う味に気づけるはずです。
– p210-211 –
日常に飽きることがなくなると言い換えてもいいですね。
実際、僕はライター・ブロガーとして文章を書くことを仕事にしていますが、「大好きなジャンル」の記事ではなくても、「へ〜面白そうじゃん」くらいに感じるジャンルの記事でも書いていて楽しいんです。
「こうやって言ったほうがイイかな〜。ああやって言ったほうが伝わりやすいかな〜」って試すこと自体が楽しいから。
まさに故事成語で言うところの「推敲」ですね。(ドアを「推す(おす)」か「敲す(たたく)」のどっちの表現がイイかな〜って昔の詩人が悩みまくったってやつ)
この本は味覚に特化していますが、「ことばにする」ということによって身近な見るもの・聞くものへの感度が高まってなんでも面白くなるよな〜とあらためて感じました。
「何て言おうかな〜」って考えてれば楽しいんだから、コスパ抜群ですよ(笑)
さいごに
「芸能人格付チェック」でおなじみのGacktさんの秘密も楽しめるので、それだけでも読んでみる価値ありです。
ワイン・コーヒー・チョコ・カレー・ラーメンの味を楽しく「見える化」できるワークシートも付いているのもうれしいポイントですよ。
「豊かな人生を引き寄せる「あ、これ美味しい! 」の言い換え力」は、読むだけで今までの自分よりちょっぴり「味わい深い大人」になれるので、ぜひぜひ手にとってみてくださいね。